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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻7号

2002年07月発行

文献概要

臨床報告

両側視神経乳頭腫脹を初発所見とする小児サルコイドーシスの1例

著者: 佐藤綾子12 芳野秀晃1 西田輝夫2

所属機関: 1徳山中央病院眼科 2山口大学医学部分子感知医科学講座(眼科学)

ページ範囲:P.1279 - P.1284

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 11歳男児が2か月前からの両眼球突出で受診した。14か月前に右顔面神経麻痺があったが2か月で軽快している。両眼とも視力は正常であった。両眼の視神経乳頭が顕著に腫脹し,蛍光眼底造影でこれに相当する所見があり,眼窩部CTで両側の視神経が腫脹していた。限界フリッカー値が軽度低下していた。初診の8日後に矯正視力が右0.7,左0.4に低下した。その1か月後に手背にある色素斑の生検で特徴的な肉芽腫が証明され,全身検索の結果と合わせてサルコイドーシスの診断が確定した。1日量40mgのプレドニン内服を開始し,2週後に視神経乳頭腫脹が改善し,さらに2週後に顔面神経麻痺と眼球突出が軽快した。視力は両眼とも1.0以上を維持している。サルコイド病変によって視神経の軸索輸送が障害されたことが乳頭腫脹の原因であると推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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