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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻8号

2002年08月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

ポリープ状脈絡膜血管症の自然消退例

著者: 武田丹音1 高橋寛二1 正健一郎1 永井由巳1 和田光正1 尾辻剛1 松村美代1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1327 - P.1332

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 ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)2症例で,病変が自然寛解した。症例は73歳女性と59歳男性で,いずれも片眼性であり,罹患眼の矯正視力はそれぞれ0.15と0.6であった。初診から21か月と9か月でポリープ状病変が自然消退し、黄斑部の滲出性変化が消失し,視力はそれぞれ0.5と1.0に改善した。インドシアニングリーン蛍光造影で,根幹部の異常血管網は消失しなかったが,ポリープ状病変の消退過程で病変内部に低蛍光領域が出現し,のちにポリープ状病変が消失した。光干渉断層計(OCT)所見では,ポリープ状病変部の網膜色素上皮の隆起が平坦化し,その内部反射が亢進し,網膜剥離が消失した。これらの画像所見から,ポリープ状病変の消退機序として,病変内部の血栓形成による血管瘤の器質化が自然に生じた可能性が推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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