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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻8号

2002年08月発行

臨床報告

良好な経過をたどったStevens-Johnson症候群の1例

著者: 佐藤俊介1 奥田芳昭2 丸山久子3

所属機関: 1社会保険栗林病院眼科 2ひとみ眼科 3岡山済生会総合病院眼科

ページ範囲:P.1341 - P.1347

文献概要

 24歳女性が両眼の眼痛,眼瞼腫脹,開瞼不能で受診した。5日前に熱発と咽頭炎に対してジクロフェナク坐剤を使用した後,口腔内びらん,全身の皮疹と水疱,眼症状が出現している。激しい偽膜性結膜炎があり,全身に暗褐色紅斑がびまん性にあり,肺炎が併発していた。これらから,薬剤により誘発されたStevens-Johnson症候群と診断した。副腎皮質ステロイド薬と抗生物質の全身投与を開始し,偽膜除去と硝子棒による瞼球癒着剥離などを行い,二次感染の予防と消炎などの初期治療を連日積極的に実施した。偽膜と分泌物は10日後から減少し,20日後には大きく軽快した。発症1年後には,軽度の結膜瘢痕と乾性角結膜症を残すのみで,視力は良好であり,社会復帰ができた。偽膜性結膜炎が発症した2日後から積極的な初期治療を行ったために良好な結果が得られたと評価される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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