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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻8号

2002年08月発行

文献概要

臨床報告

抗GQ1b抗体陽性の小脳失調を伴わない感染後急性外眼筋麻痺の2症例

著者: 滑川道人1 村松慎一1 田中康文1 藤本健一1 中野今治1 楠進2

所属機関: 1自治医科大学神経内科学教室 2東京大学医学部神経内科学教室

ページ範囲:P.1361 - P.1364

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 34歳男性と28歳女性が複視で受診した。先行感染は,1例には10日前に上気道感染が,もう1例には8日前に下痢がみられた。2例とも眼瞼下垂と瞳孔異常を伴わない外眼筋不全麻痺があった。小脳失調と腱反射異常はなかった。血糖,血清の乳酸とピルビン酸,甲状腺機能,脳脊髄液は正常範囲であった。脳の磁気共鳴画像(MRI)所見には異常がなかった。両症例とも抗アセチルコリン受容体抗体は陰性であった。血清の抗GQ1blgGが強陽性であり,「抗GQ1b抗体陽性の小脳失調を伴わない感染後急性外眼筋麻痺」と診断した。眼症状は,それぞれ4か月後と50日後に自然寛解した。本疾患は,片眼性のものを含み過去に46例の報告があり,Fisher症候群の不全型ないしGuillain-Barré症候群の亜型であると考えられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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