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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻8号

2002年08月発行

臨床報告

硝子体切除術後眼に対する眼内レンズ二次挿入時に生じた駆逐性出血

著者: 春山洋1 今井雅仁1 飯島裕幸1

所属機関: 1山梨医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1383 - P.1386

文献概要

 51歳男性の左眼の眼内異物に対して硝子体手術と水晶体切除術が6か月前に行われた。今回,眼内レンズ二次挿入のために毛様体扁平部に灌流用ポートを作り,灌流下で強角膜トンネルを作製した際に虹彩脱出が生じた。灌流を中止し,眼内レンズを嚢外に固定した。その直後に出血性脈絡膜剥離と網膜剥離が生じた。経強膜ドレナージを行い,硝子体をSF5で置換して手術を終わった。その後,前房と硝子体出血で眼底が透見不能となった。手術の16日後に硝子体腔を洗浄したところ,脈絡膜剥離は消失していた.最終視力は0.9であった。硝子体切除の既往のある眼に灌流を行わずに眼内レンズを挿入したために眼圧が急激に低下し,駆逐性上脈絡膜出血が生じたと推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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