文献詳細
文献概要
特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略 Ⅰ.診断・治療の指針—私はこうしている 1.診断の指針
視神経乳頭からみた緑内障診断
著者: 澤口昭一1
所属機関: 1琉球大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.39 - P.42
文献購入ページに移動緑内障における視神経乳頭の変化としては視神経乳頭陥凹の拡大がよく知られている1)。この拡大には基本的な進行,悪化のパターンがある。すなわち全体的(びまん性)な同心円上の拡大と,上下(特に耳側)に向かって局所的に進行,拡大する2種類のパターンである。一般的にはこの2種類のパターンが同時に進行し,乳頭陥凹が拡大するパターンが多いが(図1),一方が先行し,他方が遅れて出現する場合もある。また同心円上の乳頭陥凹の拡大は生理的な乳頭陥凹の拡大との鑑別が重要であり,一方でその鑑別は困難なことも多い(図2)。それに対し局所的な拡大は,そのパターンに慣れてくると比較的容易に診断に結びつくという特徴,利点がある。特に上下耳側の乳頭辺縁のいわゆるneural rimの消失を伴っている場合は診断が容易となる。
掲載誌情報