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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻9号

2002年09月発行

特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略

Ⅰ.診断・治療の指針—私はこうしている 1.診断の指針

乳頭循環測定の意義

著者: 宇治幸隆1

所属機関: 1三重大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.52 - P.53

文献概要

血流障害の関与
 緑内障治療の目的は視神経障害を進行させないことであるが,そのためには乳頭篩板に直接的に関与する高眼圧に対処することが緑内障治療の主体であった。しかし眼圧が正常化されても視野障害が進行する症例があり,また正常眼圧緑内障と局所あるいは全身の循環障害との関連が次々に報告されたことから,眼圧に依存しない要因の筆頭として血流障害が何らかのかたちで関与しているのではないかと考えられるようになり,さらに緑内障における網膜視神節細胞死がアポトーシスの進行によることが明らかにされて,そのアポトーシスを誘導する因子としての慢性虚血に対処することが緑内障治療手段の1つと考えられるようになった。
 それでは緑内障眼での血流障害をどのように証明でき,さらにそれに対する治療効果を得ることができるであろうか。現実には非侵襲的に(心臓や大血管に比べ)“細くて遅い”眼血流を正確に測定するのは極めて困難で,測定技術の高度化がなければ達成されない方法である。幸いにも1990年代になって,従来からあったレーザーや超音波を用いた血流測定技術が急速に進歩し,短時間に,眼循環動態を数値として捉えられるようになってきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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