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特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略 Ⅰ.診断・治療の指針—私はこうしている 1.診断の指針
乳幼児の緑内障診断と専門施設への紹介
著者: 高本紀子1 東範行1
所属機関: 1国立成育医療センター眼科
ページ範囲:P.66 - P.71
文献購入ページに移動乳幼児の緑内障は大部分が先天性で,全身あるいは眼球の先天異常を伴う続発先天緑内障と,それらを伴わない原発先天緑内障とに分けられる。いずれも隅角の形成異常が主な原因となる。頻度は原発先天緑内障が数万人に1人といわれ1),稀であるが,早急な診断と手術治療を必要とする疾患である。その他に,先天白内障などの早期眼手術後の合併症として緑内障が起こることもある。
いずれの緑内障にあっても,患児の訴えがないので発見が遅れやすく,眼球拡大や角膜混濁が起こって初めて医師を受診することもある。しかも,診断に迷うことも多い。これは,乳幼児は成人と異なり,視野検査ができず,眼圧測定も困難なためである。さらに眼球壁が軟らかい乳幼児では,まず眼球拡大や角膜混濁が生じ,視神経乳頭陥凹はかなり進行してから起こる。加えて乳幼児では外来で十分な検査ができず,睡眠下あるいは全身麻酔下での検査となることも多い。
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