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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻9号

2002年09月発行

特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略

Ⅰ.診断・治療の指針—私はこうしている 1.診断の指針

緑内障と遺伝

著者: 真島行彦1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.72 - P.73

文献概要

 以前から,緑内障患者のなかには家族性のものがあることが広く知られていた。日常診療でも,「家族内に緑内障患者さんはいませんか」と聞くと,結構多いことに気づく。外国では,緑内障発症の相対危険度は,同胞に家族歴があると3.69(2.10〜6.48),両親では2.17(1.07〜4.41),いとこでは2.85(1.82〜4.46)と報告されている1)。すなわち,家族内に緑内障の患者がいるということは,緑内障発症の危険因子の1つである。
 原発性開放隅角緑内障の決定因子ともいうべき緑内障遺伝子は,現在少なくとも6個,その存在が確認され,その1つが,筆者ら慶應義塾大学グループがクローニングしたミオシリン(MYOC)2)である(表1)。最近,正常眼圧緑内障の原因遺伝子としてoptineurin(OPTN)が報告された。原発先天緑内障の疾患遺伝子は2個その存在が確認されているが,その1つがチトクロームP4501B1遺伝子(CYP1B1)である。これらの緑内障遺伝子は,変異を持てば緑内障を発症するというものである。緑内障遺伝子変異は緑内障発症の危険因子である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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