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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻9号

2002年09月発行

文献概要

特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略 Ⅱ.治療の実際 1.薬物治療の実際

循環改善薬の現状と将来

著者: 玉置泰裕1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.156 - P.157

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緑内障と循環
 緑内障治療は眼圧下降を中心に行われてきたが,眼圧下降が十分であるにもかかわらず視野障害が進行する症例もしばしば経験される。このことは,緑内障性視神経障害の進行には眼圧以外の因子も関与することを示唆する1)。特に正常眼圧緑内障(normal tension glaucoma:NTG)患者においては,低血圧,偏頭痛および乳頭出血が高頻度に認められるなどの臨床的事象により,眼圧以外の因子として全身あるいは局所(特に視神経)の循環障害の関与が考えられるようになった。さらに,超音波カラードップラ法(図1)を用いた検討により,NTG患者では健常人に比して,またNTG患者の視野障害進行群では非進行群に比して,それそれ網膜中心動脈および短後毛様動脈の血流速度が低く,血管抵抗が大きいことが報告され,緑内障のなかでも特にNTG患者に対して循環改善薬の投与が試みられるようになった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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