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特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略 Ⅱ.治療の実際 2.レーザー治療の実際
選択的レーザー線維柱帯形成術
著者: 石川修作1 桑山泰明1
所属機関: 1大阪厚生年金病院眼科
ページ範囲:P.160 - P.163
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アルゴンレーザー線維柱帯形成術(argon laser trabeculoplasty:ALT)は,線維柱帯にレーザーを照射することにより房水流出抵抗を減少させ,眼圧下降を得る方法である。しかしながら眼圧下降効果の限界,周辺虹彩前癒着(PeriPheral anterior synechia:PAS)の形成,反復照射による線維柱帯組織の器質的変化がもたらす眼圧上昇により,次第に緑内障治療として行きづまりを呈するようになった。
1995年,Qスイッチ半波長ヤグレーザー(以下,ヤグレーザー。波長532nm)はメラニンに対する高吸収率という特性を有し,照射エネルギー,パルス幅などの条件設定により線維柱帯の網目構造や線維柱帯無色素細胞への影響を及ぼすことなく,色素顆粒を持つ色素細胞のみを選択的に破壊できることが確認された1)。それらの原理を応用して選択的レーザー線維柱帯形成術(selective laser trabeculoplasty:SLT)が開発された。
アルゴンレーザー線維柱帯形成術(argon laser trabeculoplasty:ALT)は,線維柱帯にレーザーを照射することにより房水流出抵抗を減少させ,眼圧下降を得る方法である。しかしながら眼圧下降効果の限界,周辺虹彩前癒着(PeriPheral anterior synechia:PAS)の形成,反復照射による線維柱帯組織の器質的変化がもたらす眼圧上昇により,次第に緑内障治療として行きづまりを呈するようになった。
1995年,Qスイッチ半波長ヤグレーザー(以下,ヤグレーザー。波長532nm)はメラニンに対する高吸収率という特性を有し,照射エネルギー,パルス幅などの条件設定により線維柱帯の網目構造や線維柱帯無色素細胞への影響を及ぼすことなく,色素顆粒を持つ色素細胞のみを選択的に破壊できることが確認された1)。それらの原理を応用して選択的レーザー線維柱帯形成術(selective laser trabeculoplasty:SLT)が開発された。
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