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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻9号

2002年09月発行

文献概要

特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略 Ⅱ.治療の実際 2.レーザー治療の実際

レーザー毛様体破壊術

著者: 伊藤邦生1

所属機関: 1三重大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.171 - P.172

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毛様体レーザーの利点
 毛様体破壊術は毛様体雛襞部の毛様体上皮を破壊することにより房水産生を低下させ眼圧を下降させる術式で,それには従来から行われてきた冷凍凝固,経瞳孔・眼内・経強膜レーザー凝固などがある。最近,最も簡便で一般的なのが経強膜毛様体レーザー凝固である。経強膜毛様体レーザーとしてはヤグレーザー(1,064nm)と半導体レーザー(810nm)が用いられ,そのなかでもIRIS Medical社製OcuLight®-SLxの経強膜毛様体光凝固専用プローブであるGプローブを用いた装置が最も普及している(図1,2)。
 このGプローブを用いた毛様体レーザーが使用できるようになって,これまで濾過手術が不可能か,ないし効果が少ないと考えられ処置方法の選択に苦慮していた血管新生緑内障,ぶどう膜炎や外傷による続発緑内障,複数回の緑内障手術既往眼などの難治緑内障に対する毛様体破壊術が以前に増して施行しやすくなった。というのは,この方法は他の方法に比べて組織破壊および周囲組織への侵襲が小さく,そのため術後の疼痛が軽減され,また取り扱いも簡便で,コンパクトで持ち運びやすく,外来でも施行可能であるためである。術後成績も毛様体冷凍凝固の成績が非常にミゼラブルな結果であるのに比べ1,2),良好な成績が期待でき,眼球虜などの重篤な合併症の頻度も高くないとされている3〜6)。実際,自験例においても,全例とはいわないまでも,この方法で眼圧コントロールできた症例も少なからず存在する。ただし毛様体破壊術において最も注意すべき術後合併症である眼球癆の経験はまだない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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