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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻9号

2002年09月発行

文献概要

特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略 Ⅱ.治療の実際 3.手術治療の実際

—私の推薦する術式—MMCを用いた線維柱帯切除術と注意事項

著者: 富田剛司1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.213 - P.214

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 マイトマイシンC (MMC)を用いた線維柱帯切除術(以下,レクトミー)は,眼圧下降効果の点については現在のところ最も優れた術式であると考えられる。しかしながら,本術式に対しては根強い否定的な意見も存在する。これまで,その論拠の中心は強い眼圧下降効果による低眼圧黄斑症や白内障の発症に対する危惧であったが,少なくとも,低眼圧黄斑症が術後のレーザー切糸術の開発により克服されてきたのに伴い,最近は術後眼内炎の発症に対しての懸念の声が増加している。これは,MMCを用いたレクトミーでは血管侵入の少ない,壁の薄い,胞状のブレブができやすく,このようなブレブが形成されるために眼圧下降効果も持続するのであるが,その長所が逆に短所となり,薄いブレブの壁を通して細菌の侵入が起こりやすいことが知られている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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