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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻9号

2002年09月発行

緑内障—私の夢

患者さんの治療への参加

著者: 富田剛司

ページ範囲:P.214 - P.214

文献概要

 「緑内障は自分ではどうしようもできないことが辛い」と結構患者さんにいわれる。例えば糖尿病であれば,食事療法などを通じて患者は積極的に治療に参加することができる。高血圧症であっても,運動をしたり,肥満を解決すれば症状が好転することがある。これも,患者さんが治療に参加できる病気である。風邪であれば寝ることが治療になる。ひるがえって緑内障の場合は,何をしてもよいし,何を食べても大丈夫といわれる。点眼は一生懸命しているのに,だんだんと見え方が悪くなっていく。それなのに自分は,ただ座してその状況を悲しむしかすべはないと。
 全くその通りである。慢性疾患は慢性疾患なりに患者の自己管理法というのがあったほうが,長年の治療にも耐えることができる。薬をポンと出してあげて,「はい,これで緑内障はもう進行しませんからね」といってあげられる状況が将来あれば問題ないのであるが,それがいつくるかわからない状態であれば,なおさら慢性疾患としてのこの病気に向かいあうための患者さん自身の対処法を考えるのも重要である気がする。音楽,絵画,スポーツなどで緑内障に効くものはないものかなあ……。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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