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特集 網膜色素変性症の最前線
序説―厚生省特定疾患調査研究班の取り組みをふり返って
著者: 玉井信1
所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1520 - P.1521
文献購入ページに移動この研究班は眼科学会が主体の唯一の研究班として,時代とともに厚生省の考え方や時代の要請,また班研究を担当される先生方の方針を反映しており興味深い。平成8年,玉井信(東北大学)が班長になった時点で,厚生省の指示により難治性視神経症も取り上げられた。これらの研究経過をみると,時代とともに網膜色素変性症の病因に対する考え方に反映され,また取り上げる疾患も定型網膜色素変性症から広い意味での網膜ジストロフィー,そして高度近視や老人性円盤状黄斑変性(加齢性黄斑変性)へと広がり,名称も少しずつ変わってきたことを示している。また研究内容も科学の進歩に伴い,初期の疫学調査,疾患の診断基準の作成から,培養技術を利用した網膜色素上皮の研究,レーザー照射機器の臨床応用に伴う黄斑疾患に対する治療の試みなどが話題となり,さらにDNA診断の基礎的研究が昭和61年度に,翌年には色素変性症の分子遺伝学的研究が始めて発表され,この研究班と班員の活動が常に時代の最先端の成果を生み出してきていることを示している。
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