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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻10号

2003年10月発行

文献概要

特集 網膜色素変性症の最前線

網膜色素変性症の病態(1)―遺伝子解析を中心に

著者: 和田裕子1

所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1522 - P.1528

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はじめに

 網膜色素変性は,夜盲,視野狭窄,視力低下を主訴とする遺伝性の網膜変性疾患である。長年,家族発症で,さらに夜盲,視野狭窄を示す疾患の存在は知られていた。1851年にHelmholtzによりOphthalmoscopeが発明され,1853年にvon Tright,また1854年にRueteにより網膜色素変性の症例が報告された1,2)

 Dondersら3~4)により,1855年に「Retinitis pigmentosa」という言葉がこの疾患に対して初めて用いられた。Retinitis pigmentosaは「炎症性」の意味が大きく,実際には本疾患は「dystrophy」,または「genetically determined degeneration」の意味が強い疾患である。現在までに,網膜色素変性に対しては「retinitis pigmentosa」,「tapeoretinal degeneration」,「primary pigmentary retinal degeneration」,「pigmentary retinopathy」,「rod-cone dystrophy」などさまざまな言葉が用いられているが,海外,または本邦では「retinitis pigmento-sa」,または「網膜色素変性」が広く普及している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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