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連載 日常みる角膜疾患 7
梅毒性角膜実質炎後角膜白斑
著者: 森重直行1 西田輝夫1
所属機関: 1山口大学医学部分子感知医科学講座眼科学
ページ範囲:P.1584 - P.1586
文献購入ページに移動患者:78歳,女性
初診:2001年10月18日
現病歴:両親から,幼少時より視力は悪かったといわれていた。最近徐々に視力が低下してきたため近医を受診したところ,両眼の角膜混濁を指摘され,当科を紹介され受診した。
眼科的既往歴:左眼に網膜中心静脈分枝閉塞症(77歳時)
全身的合併症:特記すべきことはない。
初診時所見:視力は右0.01(矯正不能),左0.4(0.5×S-1.0D cyl-1.0D Ax130°),眼圧は右19mmHg,左13mmHgであった。両眼角膜には,実質中層から深層にかけてghost vesselを伴う瘢痕を認めた(図1)。両眼とも水晶体はEmery分類でgradeIIの白内障を認めた。眼底は,左眼で小出血を認めたが,右眼は透見不能であった。眼軸長は右眼25.6mm,左眼24.3mmで,B-modeエコー上で右眼には後部ぶどう腫を認めたが,そのほか特記すべき所見は認めなかった。
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