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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻10号

2003年10月発行

文献概要

臨床報告

先天性乳頭形成異常に伴う網膜剝離の自然寛解例

著者: 河原彩1 南政宏1 今村裕1 植木麻理1 佐藤文平1 池田恒彦1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1615 - P.1618

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要約 乳頭形成異常に併発した網膜剝離2例が自然寛解した。1例は16歳女性で朝顔症候群が右眼にあった。右眼の視神経乳頭に接する上鼻側に胞状の剝離が生じた。剝離が黄斑部に及んでいないため手術を行わなかった。10週後に網膜下液は完全に消失した。ほかの1例は23歳男性で,3年前に左眼視力低下を自覚し,黄斑部の網膜剝離を伴うpit-macular症候群と診断されていた。光凝固が繰り返して行われていたが無効であった。当科を受診後,網膜下液は増減を繰り返し,16か月後に完全に消失した。矯正視力は初診時の0.05から0.15に向上した。両症例とも明らかな後部硝子体剝離はなく,網膜剝離が自然寛解した理由として,若年者であるために硝子体のタンポナーデ効果が大きかったことと,網膜色素上皮の機能が良好であったことが推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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