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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻10号

2003年10月発行

臨床報告

Peripheral exudative hemorrhagic chorioretinopathyの1例

著者: 大内典子1 佐藤浩章1 高村浩1 佐藤武雄1 山下英俊1

所属機関: 1山形大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1619 - P.1625

文献概要

要約 75歳男性が網膜出血で紹介され受診した。8年前から左眼に変視があり,1年前に加齢黄斑変性と診断されていた。矯正視力は右0.8,左0.2であった。両眼の後極部に硬性ドルーゼンが多発し,右眼には乳頭鼻側に1.5乳頭径大の線維増殖膜,滲出斑,斑状出血があった。左眼には黄斑萎縮と,乳頭鼻側に滲出斑を伴う3乳頭径大の網膜下出血があった。フルオレセインとインドシアニングリーン蛍光眼底造影で左眼の乳頭鼻側の病巣に新生血管が検出された。両眼のperipheral exudative hemorrhagic chorioretinopathy:PEHCR(周辺部滲出性出血性脈絡網膜症)と診断した。左眼の乳頭鼻側の病巣に対してレーザー光凝固を2回行った。出血は徐々に吸収され,6か月後に新生血管は退縮した。初診から15か月後の矯正視力は,右0.9,左0.04であった。本症の悪化防止に光凝固が有効である可能性を示した1例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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