文献詳細
文献概要
特集 眼感染症診療ガイド
序文
著者: 大野重昭1
所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科病態制御学専攻感覚器病学講座視覚器病学分野
ページ範囲:P.7 - P.8
文献購入ページに移動はじめに
医学における古くて新しい課題は,やはり何といっても「感染症の克服」である。生物がこの地球上に誕生し,さらに人類が誕生して以来,感染症との壮絶な戦いは絶えることがなく,現在でも限りなく継続されている。
20世紀後半のある時期には,人類は一瞬「感染症を克服した」かのような錯覚に陥った時期があった。しかし,現実にはエイズの出現や病原性大腸菌感染の大流行によって,これらの空想はあっという間に瓦解してしまった。結局,感染症の克服はいかに大変な永遠の命題であるのかを改めて思い知らされる結果となった。
過去の眼科学の歴史を振り返ってみると,20世紀におけるホワイトアイ診療の進歩はまことにめざましいものであった。特に眼科手術をはじめとする眼外科領域の20世紀における進歩,発展は,後世の歴史に残るものであろう。しかし,現在でも眼感染症対策の重要性は相変わらず大きいものがあり,感染予防や術後感染治療の社会的ニーズはむしろ以前よりいっそう高まったといえるかもしれない。
医学における古くて新しい課題は,やはり何といっても「感染症の克服」である。生物がこの地球上に誕生し,さらに人類が誕生して以来,感染症との壮絶な戦いは絶えることがなく,現在でも限りなく継続されている。
20世紀後半のある時期には,人類は一瞬「感染症を克服した」かのような錯覚に陥った時期があった。しかし,現実にはエイズの出現や病原性大腸菌感染の大流行によって,これらの空想はあっという間に瓦解してしまった。結局,感染症の克服はいかに大変な永遠の命題であるのかを改めて思い知らされる結果となった。
過去の眼科学の歴史を振り返ってみると,20世紀におけるホワイトアイ診療の進歩はまことにめざましいものであった。特に眼科手術をはじめとする眼外科領域の20世紀における進歩,発展は,後世の歴史に残るものであろう。しかし,現在でも眼感染症対策の重要性は相変わらず大きいものがあり,感染予防や術後感染治療の社会的ニーズはむしろ以前よりいっそう高まったといえるかもしれない。
掲載誌情報