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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻11号

2003年10月発行

文献概要

特集 眼感染症診療ガイド I.眼感染症のトピックス

眼感染症とバイオフィルム

著者: 三原悦子1

所属機関: 1鳥取大学医学部視覚病態学教室

ページ範囲:P.34 - P.39

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バイオフィルムの概念

 バイオフィルム(biofilm)はその言葉どおり「生物が作ったフィルム」で,菌自体の産生するグリコカリクス(glycocalyx)と呼ばれる菌体外多糖が細胞壁の周囲を取り囲むような粘液層を形成し,そのなかで細菌がコロニーを形成した状態である(図1)1)

 一般に細菌は自己の生息にとって不利な環境におかれた場合,周囲に多糖体(glycocalyx)を産生する。これを介して隣接した細菌が互いに凝集し,一塊となって付着表面に細菌の膜層,すなわちbioのfilm,biofilmを形成する2)。つまりバイオフィルムは住みにくい環境で生き残るために編み出された細菌の増殖様式なのである。このことは,例えば川底の石の表面などにみられるように,自然界に生息している細菌にみられる普遍的な姿として認識されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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