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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻11号

2003年10月発行

文献概要

特集 眼感染症診療ガイド II.診断・治療のポイント 眼瞼・涙器・眼窩

涙小管炎

著者: 栗橋克昭1

所属機関: 1栗橋眼科

ページ範囲:P.107 - P.113

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はじめに

 涙小管炎1~10)(canaliculitis,図1,2)についてはその原因菌が精力的に追究され研究されているのは,涙小管炎が稀な疾患というだけでなく,従来の鋭匙による涙小管掻爬では涙石を取り残し再発することが稀でないという実情が関係しているであろう。KMTS(Kurihashi's multiple traction sutures)11,12)(図1c~f,2,3)をかけて涙小管水平部を切開し,その開いた部分からも涙石を直視下で完全に除去することが容易にできるようになった。涙石を完全に除去すると,どのような菌であれ涙小管炎は治癒し再発しなくなる。原因菌に対する追究,保存的治療,涙小管掻爬の繰り返しにこだわらず,KMTSをかけ直視下で完全に涙石を除去する必要がある。

 本項においてはKMTSだけでなく,診断の一助として綿糸法,濾紙法,TMH,色素残留テストからなる精密涙分泌テスト10)を行い涙分泌速度だけでなく導涙速度(導涙機能)もチェックすることが重要と考えられるので,それについても触れる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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