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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻11号

2003年10月発行

特集 眼感染症診療ガイド

II.診断・治療のポイント 結膜

【総論】結膜炎―感染か,非感染か

著者: 内尾英一1

所属機関: 1横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター眼科

ページ範囲:P.118 - P.121

文献概要

結膜充血で感染・非感染が見分けられるか

ポイント

・結膜炎は充血だけで感染・非感染の鑑別を行うことは不可能である。

 結膜炎は感染性,非感染性を含めて,日常臨床では非常に頻度の高い疾患であり,「目が赤くなりました」という主訴の患者は,毛様充血によるぶどう膜炎や,通常眼痛を伴う強膜炎を除くと,ほとんどが何らかの結膜炎である。感染性結膜炎には細菌,クラミジア,ウイルスによるそれぞれの結膜炎があり,非感染性結膜炎にはアレルギー性結膜炎などのアレルギー性結膜疾患や,頻度は高くないがフリクテン・瞼裂斑炎などの広義のアレルギー疾患というべきものがある。結膜は非角化重層扁平上皮におおわれ,下部の強膜と結合組織とにlooseに接合しており,血管が豊富な組織である。結膜炎はこの組織学的特徴から種々の臨床所見を示し,充血だけで感染・非感染の鑑別を行うことはまず不可能である。自覚症状やいくつかの臨床所見の組み合わせ,そして時には検査所見も併せて,感染性か非感染性かの判断を行わなくてはならないところに,結膜炎の診断のむずかしさがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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