文献詳細
文献概要
特集 眼感染症診療ガイド コラム 眼感染症への取り組み・いまむかし
アカントアメーバ角膜炎
著者: 石橋康久1
所属機関: 1茨城山王病院
ページ範囲:P.180 - P.181
文献購入ページに移動 私がアカントアメーバ角膜炎とわが国で初めて出会ったのは,1987年,留学から帰り,真菌の研究も一段落してこれから何をしようかと考えていたときである。コンタクトレンズで角膜に傷をつけ,2~3か所の眼科で治療を受けたが改善せず,紹介で筑波大の眼科を受診した患者である。それまでの経験から角膜真菌症であろうと当りを付け診察をしたが,角膜中央に白色円板状の病変がみられた(図1)。患者に角膜実質内の病原体を検索するためバイオプシーをすることを承諾してもらい,顕微鏡下に角膜実質を生検し,これをパーカーインクKOH法で直接鏡検した。
その日は時間がなくそのまま帰宅し,翌日早朝に大学に行き顕微鏡を覗いたところ,実質内に沢山の青く染まった丸いものが観察された(図2)。そのときは真菌を期待しており,青く細長いものがみえるものとばかり思っていたのでビックリした。一体これは何であるのかすぐには思いつかなかったが,ほどなくしてニューオリンズで見せてもらったアカントアメーバ角膜炎のことを思い出した。それを確認するためにはアメーバの培養が必要であり,すぐに筑波大の寄生虫学教室を訪ねた。患者からアメーバが培養されたとの報告を受けたのは1週間ほどしてからであった。
その日は時間がなくそのまま帰宅し,翌日早朝に大学に行き顕微鏡を覗いたところ,実質内に沢山の青く染まった丸いものが観察された(図2)。そのときは真菌を期待しており,青く細長いものがみえるものとばかり思っていたのでビックリした。一体これは何であるのかすぐには思いつかなかったが,ほどなくしてニューオリンズで見せてもらったアカントアメーバ角膜炎のことを思い出した。それを確認するためにはアメーバの培養が必要であり,すぐに筑波大の寄生虫学教室を訪ねた。患者からアメーバが培養されたとの報告を受けたのは1週間ほどしてからであった。
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