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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻11号

2003年10月発行

文献概要

特集 眼感染症診療ガイド コラム 眼感染症への取り組み・いまむかし

術後眼内炎の治療経験から

著者: 平形明人1

所属機関: 1杏林大学

ページ範囲:P.258 - P.258

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 硝子体手術を専門領域にしているために眼内炎治療に携わる機会が多く,そのなかで術後眼内炎の治療経験から感じたことを記載する。

迅速で適切な対応

 白内障術後眼内炎の治療として,米国のEVS(Endophthalmitis Vitrectomy Study)で,抗菌薬眼内投与の有用性が報告された。この検討は,硝子体手術が迅速にできない場合の対処方法にも有用な情報となっている。しかし実際には,まずは前房洗浄のみあるいは全身抗菌薬投与のみの対処などで経過をみて,その治療に抵抗性であるために本院を紹介される症例も少なくない。迅速な対応が遅れてしまっている。

患者さんへの説明(適切な病診連携が大切)

 患者さん自体が,眼内炎治療の手術や予後を比較的深刻に捉えていなかったり,眼内炎治療手順を不適切に指導されていることがある。この原因は,紹介医の説明に基づいているように思われる。眼内炎治療は緊急の治療が大切であり,そのためには紹介先での良好な医師患者関係ができるように,紹介医には紹介先の対処を想定したていねいな説明をしていただきたい。紹介時の視力が良好でも,急速に悪化することは少なくない。紹介医と紹介先の密接な連絡が大切である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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