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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻11号

2003年10月発行

文献概要

特集 眼感染症診療ガイド III.検査・治療の基礎知識

PCRで検出できる眼感染症の病原体

著者: 伊藤典彦1

所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.288 - P.293

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はじめに

3つのポイント

・臨床症状の観察が重要である。

・前房水と硝子体にはPCRの阻害物質が混入している。

・1回の反応で1種類の病原体を検出するPCR(monoplex PCR)と1回の反応で複数の病原体を検出するPCR(multiplex PCR)がある。

1.何よりも臨床症状の観察が重要である

 PCR(polymerase chain reaction)は万能の検査であると思われがちであるが,検出する対象を決定しなくては検査を行うことができない。SARS(severe acute respiratory syndrome)で思い知らされたように,この地球上でわれわれ人類が知っている病原体はほんの一握りである。また,検体の取得には侵襲が伴い,特に後眼部疾患ではより病巣に近い部位からの検出が望ましいが侵襲は強い。まずは臨床症状から可能な限り病原体を絞り込み,必要とあればPCRを行うことが望ましい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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