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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻12号

2003年11月発行

文献概要

連載 日常みる角膜疾患 8

Axenfeld-Rieger症候群

著者: 森重直行1 相良健1 西田輝夫1

所属機関: 1山口大学医学部分子感知医科学講座(眼科学)

ページ範囲:P.1660 - P.1663

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症例

 患者:39歳,男性

 主訴:視力低下

 現病歴:幼少時より視力不良を指摘されていた。20歳時に両緑内障を指摘され,加療されていたが,右眼は眼圧コントロールが不良となり,25歳時に失明した。左眼の視力低下が進行してきたために,精査加療を希望して当科を受診した。

 初診時所見:視力は右光覚なし,左0.2(矯正不能),眼圧は,右50mmHg,左28mmHgであった。右眼は視力不良のため廃用性外斜視を呈していた。両眼とも角膜径は10mmで,輪部近くに白色の帯状混濁を認め,実質は軽度浮腫状で,内皮面には虹彩色素が付着していた(図1)。周辺部角膜ではSchwalbe's lineへの虹彩前癒着がみられた(図2)。両眼の瞳孔は不整形で,対光反応は鈍であった。虹彩は右眼では虹彩実質の萎縮による瞳孔偏位を認めたが,左眼は虹彩は萎縮して瞳孔径が8mmとなっていた。水晶体は透明で,硝子体の混濁も認めなかった。眼底は右眼では視神経乳頭の蒼白化,および著明な陥凹を認めた。左眼でも視神経乳頭の陥凹を認め,C/D 0.8であった。

 家族歴:両親,同胞(妹)に眼科的既往歴はない。

 全身合併症:幼少時より歯牙の数が少なかった(hypodontia)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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