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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻12号

2003年11月発行

文献概要

臨床報告

高血圧性網膜症にて発見された若年性褐色細胞腫の1例

著者: 髙山良1 松本佳浩1 須田雄三1 妹尾正1 小原喜隆1 湊あこ2

所属機関: 1獨協医科大学眼科学教室 2獨協医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.1705 - P.1709

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要約 1か月前からの霧視を契機として乳頭浮腫が発見された17歳女性が紹介され受診した。矯正視力は右0.5,左1.2で,両眼に滲出性網膜病変,網膜浅層と網膜下出血,乳頭周囲の浮腫があった。頭蓋内病変と血液疾患は否定された。拡張期血圧が110mmHgであり,血中ノルアドレナリン値の上昇とレジチンテスト陽性が発見され,褐色細胞腫による二次性高血圧症の診断が確定した。血圧管理を行ったが不安定で,網膜症が増悪した。初診から6週後に腫瘍を摘出した。血圧の正常化に伴って網膜症と視力が改善した。若年者であるにもかかわらず高血圧性網膜症が発症した原因として,一時的な血圧上昇による末梢循環不全に加え,代謝亢進による代謝産物の血中濃度上昇が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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