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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻12号

2003年11月発行

文献概要

臨床報告

眼底後極部から記録される網膜電図の臨床応用―糖尿病網膜症

著者: 高木重徳1 吉井大1 簗島謙次2 長坂英一郎3 榎敏生1 沖坂重邦1

所属機関: 1防衛医科大学校眼科学教室 2国立リハビリテーションセンター眼科 3(有)メイヨー

ページ範囲:P.1711 - P.1716

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要約 10分間の明順応の後,視角40度で正六角形のモニター画面を呈示して後極部網膜電図(ERG)を記録した。対象は正常者10眼と糖尿病網膜症10眼である。3種の刺激方法を用いた。二重閃光(double flash:A),単発閃光(single flash:B),Bよりも13.3ms遅れた遅延単発閃光(delayed single:c)である。A-[B+C]の値を非線形成分(nonlinear component)と定義した。この非線形成分は3頂点からなる。すなわち初期陽性波(p),これに続く陰性波(q),後期陽性波(r)である。前増殖糖尿病網膜症では,正常眼と比較して,非線形成分の(p-q)と(q-r)の各振幅,および単発閃光によるERGの振幅が有意に低下していた。後極部ERGは,刺激と記録方法,および非線形成分の抽出理論が平易であり,糖尿病網膜症での視機能を解析するのに有用である可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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