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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻12号

2003年11月発行

臨床報告

角膜深層表層移植が困難であった角膜混濁の2例

著者: 妹尾正1 千葉桂三1 高橋和晃1 平野麻衣子1 小原喜隆1

所属機関: 1獨協医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1723 - P.1727

文献概要

要約 角膜深層表層移植術(deep lamellar keratoplasty)を2例2眼に行った。74歳と78歳の女性であり,前思春期に梅毒性角膜炎を発症し,その後の角膜白斑に対して入墨術を受けていた。両症例とも,角膜下方に黄白色混濁と入墨があり,角膜上方は透明で,1mm3あたりの内皮細胞密度はそれぞれ1,700と2,700個であった。角膜深層表層移植術の実施中,混濁した角膜実質をデスメ膜から剝離することが困難であった。1眼では混濁した実質を残したまま移植片を縫着し,ほかの1眼では全層角膜移植に変更した。後者から得られた角膜片の病理所見として,実質とデスメ膜との境界が不明瞭であり,このために混濁した実質を術中に切除できなかったと考えられた。このような症例に角膜深層表層移植術を施行する際には,術中の術式変更があり得るので,新鮮角膜を用意することが望ましい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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