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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻13号

2003年12月発行

文献概要

連載 緑内障手術手技・6

線維柱帯切開術(6)

著者: 黒田真一郎1

所属機関: 1永田眼科

ページ範囲:P.1774 - P.1777

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内側フラップの切除

 シュレム管外壁開放術(サイヌソトミー)を併用する場合,内側フラップを切除する必要がある。線維柱帯切開術(トラベクロトミー)だけを行う場合は切除する必要はない(先天緑内障などでシュレム管外壁開放術を併用しない場合)。

 切除する場合はシュレム管の上方に強膜窓を作製するため,フラップ幅のシュレム管外壁全体が切除される必要がある。したがって,内側フラップを切除する場合はできるだけ角膜寄りで(理想的にはシュレム管のちょうど角膜側の部位)切除することが望ましい。この操作を行う場合,できるだけ角膜側で切除しようとして,フラップを強く引っ張り過ぎると内壁が破れてしまう。フラップを角膜側へ折り曲げるようにして切除すると,破れる心配が少ない(図1)。鑷子で掴む方向は,手を角膜側に持っていき角膜側から掴むようにするとよい。

 確実にシュレム管外壁を切除するためには,フラップをシュレム管を超えて少し角膜側まで線維柱帯組織と剝離した後に切除するようにするとよい。フラップのシュレム管外壁の部位を角膜側へ軽く押すようにして線維柱帯組織とフラップを剝離する(図2)。この剝離した隙間にブレードを入れ,切り上げるようにしてフラップをより角膜側まで進めて行く(図3)。フラップを折り曲げ,できるだけ角膜寄りの部位で切除するようにする(図4)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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