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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻13号

2003年12月発行

文献概要

臨床報告

アルガトロバン点眼がフィブリン抑制に有効であった穿孔性眼外傷の2例

著者: 川﨑史朗12 上甲武志1 大橋裕一1

所属機関: 1愛媛大学医学部眼科学教室 2南松山病院眼科

ページ範囲:P.1819 - P.1822

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要約 穿孔性眼外傷後に瞳孔領にフィブリンが出現し,眼底管理が困難になった2症例に,フィブリンを消退させ眼底の視認性を得る目的で,アルガトロバン0.05%の点眼を行った。症例1は受傷翌日から前房にフィブリンが出現し,アルガトロバン点眼を1日6回点眼した。投与3日後からフィブリンは減少し,6日後に消失した。症例2は硝子体内に異物を認め,硝子体手術を行った。術翌日からフィブリンが出現し,アルガトロバンを1日4回点眼した。点眼開始から6日後にフィブリンは減少し,10日後に消失した。抗凝固作用による出血や点眼液の眼刺激症状などの副作用はなかった。感染などでステロイドの使用が困難な症例ではアルガトロバン点眼は有用な治療手段である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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