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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻2号

2003年02月発行

文献概要

臨床報告

膠原病患者における緑内障発症とステロイド長期内服の影響

著者: 永山幹夫1 田村直之1 楳田知子1 大月洋1 山口樹一郎2 宮脇昌二3

所属機関: 1岡山大学大学院医歯学総合研究科眼科 2倉敷成人病センター眼科 3倉敷成人病センターリウマチ科

ページ範囲:P.119 - P.123

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要約 膠原病患者244名に対し,緑内障の有無とその病型を検索した。正常眼圧緑内障が4名(1.6%),開放隅角緑内障が3名(1.2%)にみられた。1年以上副腎皮質ステロイド薬(ステロイド薬)を内服していた172名のうち,ステロイド薬が原因で眼圧が上昇した可能性があるものは6名(3.5%)であった。平均1日内服量は,眼圧上昇群ではプレドニゾロン換算7.5±2.25mg,非眼圧上昇群では7.5±2.9mgであり,両群間に有意差はなかった。内服期間は,上昇群が11±9.9年,非上昇群が11±6.5年であり,有意差はなかった。膠原病患者全体における正常眼圧緑内障の有病率は特に高くなかったが,シェーグレン症候群では正常眼圧緑内障がみられなかったのに対し,慢性関節リウマチと強皮症ではいずれも3%台と高かった。また長期のステロイド薬内服は,1日10mg程度の維持量であれば眼圧が上昇する可能性は低いと判断された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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