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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻2号

2003年02月発行

文献概要

臨床報告

網膜剝離を合併した朝顔症候群の1例

著者: 横山光伸1 木村徹1 木村亘1 木谷聡1 山村基成1 中川泰典1

所属機関: 1木村眼科内科病院

ページ範囲:P.125 - P.129

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要約 14歳男児の右眼に扁平な網膜剝離が発症した。右眼は生後8か月のときに朝顔症候群と診断されていた。左眼は正常であった。右眼に硝子体手術を行い,朝顔状の乳頭内に裂孔を確認した。網膜剝離は再発を繰り返し,4回目の硝子体手術の際に裂孔の閉鎖が確認できたにもかかわらず,胞状の剝離が再発し,右眼は失明した。朝顔症候群に合併した網膜剝離の原因は,朝顔部の網膜裂孔と,視神経を介してのクモ膜下腔から網膜下への髄液の流入があると推定される。このような網膜剝離には,裂孔を閉鎖せずに乳頭周囲の網膜を眼球壁に固定する方法か,裂孔を閉鎖してクモ膜下腔と網膜下腔との連絡を遮断する方法があると判断した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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