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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻2号

2003年02月発行

文献概要

臨床報告

眼局所免疫不全状態において経験した非定型的な上皮型角膜ヘルペスの3例

著者: 鈴木正和1 宇野敏彦2 大橋裕一2

所属機関: 1町立津島病院眼科 2愛媛大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.137 - P.141

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要約 副腎皮質ステロイド剤やシクロスポリンなどによる全身および点眼治療中の3症例に,上皮型角膜ヘルペスが発症した。症例は,全層角膜移植を2回受けた76歳女性,角膜ジストロフィに対して表層角膜移植を受けた46歳女性,全層角膜移植を受けた74歳男性である。いずれの症例も,上皮欠損が大きく辺縁が不整形であり,充血などの炎症所見は乏しかった。上皮欠損の形が日々変化することと,一部に樹枝状角膜炎様の所見があり,角膜ヘルペスが疑われた。全例で涙液PCR(polymerase chain reaction)により,患眼にのみ単純ヘルペスウイルスが検出され,アシクロビル投与で上皮欠損は治癒した。眼局所の免疫不全状態での遷延化する不整形の巨大角膜上皮欠損が,上皮型角膜ヘルペスによることを示した症例群である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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