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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻2号

2003年02月発行

臨床報告

非虚血型網膜中心静脈閉塞症と網膜動脈分枝閉塞症の合併に硝子体出血をきたした1例

著者: 大萩豊1 阪上祐志1 藤谷知余美2 飯田英史2 松浦豊明3 原嘉昭3

所属機関: 1阪奈中央病院眼科 2済生会中和病院眼科 3奈良県医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.143 - P.147

文献概要

要約 45歳男性に左眼の霧視と視野異常が突発し,その翌日に受診した。左眼の矯正視力は1.0であった。視神経乳頭前に出血があり,網膜静脈が拡張,蛇行していた。黄斑部下方に網膜混濁と動静脈の循環遅延があり,非虚血型の網膜中心静脈閉塞症と網膜動脈分枝閉塞症の合併と診断した。ただちに線溶療法を開始したが,その翌日に硝子体出血と黄斑前出血が発症し,線溶療法を中止した。10週後に硝子体出血と動静脈閉塞は寛解し,視力は1.0に改善した。経過中に新生血管の発症はなく,後部硝子体剝離もなかった。経過中の所見から,硝子体と網膜前出血が視神経乳頭から起こったことと,これが網膜動脈循環障害または線溶療法に続発した可能性が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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