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臨床報告
極大連続環状囊切開(CCC)を行った白内障手術後の後囊混濁
著者: 高瀬正郎1 小原真樹夫1
所属機関: 1武蔵野赤十字病院眼科
ページ範囲:P.159 - P.164
文献購入ページに移動要約 白内障手術で極大の連続環状囊切開(continuous curvilinear capsulorrhexis:CCC)を1か月間に行い,術後3か月でCCCが維持されている50眼を検索した。術中のCCCは,眼内レンズ光学部を超え,虹彩縁を超える大きさであった。全例に後囊混濁があり,すべてがfibrosis型(線維性混濁)でElschnig pearl型(硝子体混濁)はなかった。前後囊接着部のfibrosisが19眼にあり,眼内レンズ光学部の孤立したfibrosisのみが6眼にあった。これら25眼では,CCCは散瞳下でも見えない大きなものであった。18眼には,fibrosisが前後囊接着部,眼内レンズ光学部,または支持部に沿ってあった。これら18眼でのCCCの大きさは,その他の眼よりも概して小さかった。眼内レンズ光学部を超える極大CCCは,fibrosis型の後発白内障を有意に抑制できると結論される。
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