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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻3号

2003年03月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (2)

上顎洞炎を併発した慢性関節リウマチ患者の角膜穿孔

著者: 金沢佑隆1 木下明夫1 谷口亮1 林田裕彦1 北岡隆1 雨宮次生1

所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬学総合科学研究科眼科学・視覚科学教室

ページ範囲:P.239 - P.242

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要約 58歳女性が右眼の結膜充血,眼脂,霧視を主訴として受診した。27歳のときに慢性関節リウマチと診断され,副腎皮質ステロイド薬を長期間使用していた。10週前に上顎洞炎と診断され,抗生物質の投与を受けていた。当科初診時に右眼に周辺部角膜の菲薄化,角膜穿孔と虹彩脱出があった。頭部MRI検査で,右上顎洞内の陰影と眼窩底の骨吸収があり,眼窩内への炎症の波及と,眼窩内容物の外側前方への圧排があった。抗生物質の追加投与,ステロイド点眼,治療用コンタクトレンズ装用を行い,耳鼻咽喉科手術後に表層角膜移植術を行った。本症例では,リウマチが基礎疾患としてあり,免疫学的機序による角膜の菲薄化に加え,上顎洞炎による眼窩内組織の感染と圧排などが角膜穿孔を起こしたと解釈される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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