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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻3号

2003年03月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (2)

導涙手術による結膜囊内細菌の変化

著者: 浜津靖弘1 後藤恭孝1 田澤豊1

所属機関: 1岩手医科大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.249 - P.252

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要約 結膜囊内の細菌が涙囊鼻腔吻合術(DCR)前後でどのように変化するかを検索した。鼻涙管閉塞による流涙に対してDCRを行った患者のうち,術後に流涙が改善し,フルオレセイン残留試験で残留がなかった22例22眼を対象とした。年齢は48歳 から81歳,平均71歳であった。術前6か月間は抗生物質を使用せず,術後2か月間は抗生物質の点眼を行い,以後は無投薬として,手術の3か月後に結膜囊内の細菌を検査した。細菌は,術前では18眼(82%),術後では8眼(36%)から検出された。この減少は有意であり(p<0.005),結膜囊内の自浄作用がDCRで改善したと解釈された。術前後とも結膜囊内細菌が陽性であった群では,術後に陰性化した群よりも術前の流涙の継続期間が有意に長く,数年に及ぶ例があった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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