icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻3号

2003年03月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (2)

妊娠が好影響を与えた再発性ぶどう膜炎の1例

著者: 山田喜三郎1 木許賢一1 池脇淳子1 中塚和夫1 八塚秀人2

所属機関: 1大分医科大学眼科学教室 2やつか眼科

ページ範囲:P.311 - P.315

文献購入ページに移動
要約  26歳女性が1週間前からの右眼視力低下で受診した。右眼には,虹彩炎,硝子体混濁,網膜出血と白色滲出斑,網膜静脈炎,乳頭浮腫があり,ベーチェット病を疑った。左眼は正常で,全身にも異常はなかった。プレドニゾロンとコルヒチンの経口投与を中心に加療したが,網膜滲出斑などの病変が再発を繰り返した。初診から28か月後に妊娠していることが判明したが,人工流産した。その後再び妊娠し,正常男児を出産した。2度の妊娠中,服薬は自発的に中止していた。ぶどう膜炎は妊娠中は軽快していたが,流産と出産後には病変が増悪した。妊娠が臨床経過に好影響を与えたと考えられる症例であり,妊娠による免疫抑制因子の増加や細胞性免疫の低下による母体免疫の変化がこれに寄与したと推定される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら