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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻3号

2003年03月発行

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (2)

硝子体ポケット・クローケ管の解剖学的関係と網膜硝子体界面症候群における病的役割の可能性

著者: 北岡隆1 宮村紀毅1 林田裕彦1 隈上武志1 雨宮次生1

所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬学研究科眼科学・視覚科学教室

ページ範囲:P.333 - P.335

文献概要

要約 第3期の特発性黄斑円孔10例10眼に硝子体手術を行った。男性3例,女性7例であり,年齢は58歳から77歳,平均67歳であった。術中に硝子体を可視化する目的で,中央部の硝子体を切除した直後にトリアムシノロン(triamcinolone acetonide)を硝子体腔に注入した。硝子体ゲルに付着したトリアムシノロンを手術顕微鏡で観察した結果,クローケ管は約2乳頭径,硝子体ポケットは約4乳頭径の大きさであった。両者間に薄い硝子体が介在していた。これが眼球運動の際に激しく動揺するときに,硝子体との癒着が強い黄斑部に牽引が及ぶ可能性があると推定された。この機序は,黄斑円孔ないし網膜硝子体界面症候群の発症原因の一部を説明できる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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