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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻3号

2003年03月発行

文献概要

臨床報告

涙囊鼻腔吻合術鼻外法の再発例12例

著者: 高木郁江1 巣山弥生1 後藤美和子1

所属機関: 1国立病院九州医療センター眼科

ページ範囲:P.369 - P.373

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要約 鼻外法による涙囊鼻腔吻合術後の再発に対して再手術を行った12例を検討した。10例では再閉塞が術後3か月以内に起こった。CT涙道造影所見で高頻度に篩骨洞が涙囊窩骨と鼻腔間にあり,これが吻合口での肉芽腫形成の最大の原因と考えられた。また吻合の位置が下方過ぎると鼻涙管の後方への傾斜のため,吻合が後方に作られるので,篩骨洞突出例と同様に篩骨洞の影響で再発することが考えられた。鼻腔内異常と涙小管狭窄が原因であると疑われた症例が各1例あった。再発を防ぐには,術前に篩骨洞突出の有無とその程度を知り,手術の際に吻合部位と吻合口の大きさを考慮し,粘膜縫合を丁寧にして篩骨洞の影響を受けないようにすることが重要である。鼻内異常や涙小管狭窄の有無にも注意が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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