icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (3)

多発性硬化症に視神経炎を併発した小児の3例

著者: 樋口千恵1 小林秀雄1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.421 - P.426

文献購入ページに移動
要約 3人の女児が急性視神経炎と診断され,その後の検査で多発性硬化症が発見された。年齢はそれぞれ6歳,8歳,9歳であり,2例では両眼発症である。3例ともに感冒とウイルス感染症が前駆症状としてあった。視力低下が高度で,3眼では0,1眼で0.02,1眼で0.15であった。測定可能な罹患眼すべてに視野狭窄があった。視神経病変は,3眼が乳頭炎,2眼が球後視神経炎であった。多発性硬化症の診断には,磁気共鳴画像(MRI)による脳内プラークの検出が有用であった。全例に発病早期に副腎皮質ステロイド薬のパルス療法を行った。視力と視野はすみやかに改善し,3眼では治療開始から10日以内,2眼では6週以内で正常化した。小児の多発性硬化症に併発した視神経炎に副腎皮質ステロイド薬のパルス療法が奏効した症例群である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら