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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (3)

偽乳頭炎に併発した視神経乳頭出血の3例

著者: 田村明洋1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.431 - P.436

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要約 視神経乳頭出血を発症した3例を経験した。全例が女性であり,年齢は,14歳,16歳,22歳であった。2例が片眼,1例が両眼に発症した。全例に-2.5Dから-6.25Dの近視があった。初発症状は,飛蚊症または霧視であった。出血は,乳頭上,乳頭鼻側の網膜下,および軽度の硝子体出血の形であった。蛍光眼底造影で,網膜・脈絡膜血管ともに異常はなかった。出血は全例で視機能障害を残さずに自然寛解した。健眼を含む全6眼に輪状の灰色コーヌスがあった。網膜下出血があった部位には強膜が透見する白色コーヌスがあった。乳頭は小さく,境界不鮮明で,偽乳頭炎に類似していた。白色コーヌスが形成される過程で,乳頭を栄養する乳頭周囲脈絡膜血管(peripapillary choroidal vessel)が牽引され,破綻することが乳頭出血の原因であると推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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