文献詳細
特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (3)
文献概要
要約 眼脂培養で同定した572株の細菌の薬剤感受性を検討した。検体は某病院に入院中の全科の入院患者で眼脂のある338人から採取した。男性は115人で平均年齢80.2歳,女性は223人で平均年齢83.9歳であった。Coagulase negative Staphylococcus(CNS)130株の薬剤耐性率は,セフメノキシム(cefmenoxime)とクロラムフェニコール(chloramphenicol)に対して約30%,オフロキサシン(Ofloxacin)には63%であった。Methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)111株では,バンコマイシン(vancomycin)に対して0%,クロムフェニコールに対して6.3%,オキシテトラサイクリン(oxytetracycline)には25.2%であった。グラム陽性菌全体での薬剤耐性率は,セフメノキシムには35.4%,クロムフェニコールには18.1%,オフロキサシンには60.4%であり,グラム陰性菌全体では,セフメノキシムには28.9%,クロムフェニコールには50.5%,オフロキサシンには19.6%であった。術前の抗菌点眼薬としては,結膜囊に多く存在するグラム陽性菌に高い感受性があるセフメノキシムとクロムフェニコールが適していることが上記の結果から結論される。
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