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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (3)

眼脂培養による細菌の薬剤感受性

著者: 藤紀彦1 田原昭彦1

所属機関: 1産業医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.439 - P.443

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要約 眼脂培養で同定した572株の細菌の薬剤感受性を検討した。検体は某病院に入院中の全科の入院患者で眼脂のある338人から採取した。男性は115人で平均年齢80.2歳,女性は223人で平均年齢83.9歳であった。Coagulase negative Staphylococcus(CNS)130株の薬剤耐性率は,セフメノキシム(cefmenoxime)とクロラムフェニコール(chloramphenicol)に対して約30%,オフロキサシン(Ofloxacin)には63%であった。Methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)111株では,バンコマイシン(vancomycin)に対して0%,クロムフェニコールに対して6.3%,オキシテトラサイクリン(oxytetracycline)には25.2%であった。グラム陽性菌全体での薬剤耐性率は,セフメノキシムには35.4%,クロムフェニコールには18.1%,オフロキサシンには60.4%であり,グラム陰性菌全体では,セフメノキシムには28.9%,クロムフェニコールには50.5%,オフロキサシンには19.6%であった。術前の抗菌点眼薬としては,結膜囊に多く存在するグラム陽性菌に高い感受性があるセフメノキシムとクロムフェニコールが適していることが上記の結果から結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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