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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (3)

上斜筋筋腹萎縮の有無による上斜筋麻痺の手術効果の比較

著者: 山根貴司1 長谷部聡1 古瀬尚1 河野玲華1 藤原裕丈1 中柄千明1 野中文貴1 大月洋1

所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.455 - P.459

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要約 先天性上斜筋麻痺44例に手術を行った。著しい下斜筋過動がある28例には下斜筋を後転し,その他の16例には患眼の上直筋または健眼の下直筋を後転した。磁気共鳴画像(MRI)で,患眼の上斜筋の筋腹萎縮の有無を検索した。手術効果は,正面位と頭部患側傾斜位の上下偏位と,Hess赤緑試験で判定した。下斜筋手術群では,非萎縮群のほうが正面位と頭部患側傾斜位の上下偏位の改善率が有意に高く(p<0.05),萎縮群では下方視での上下偏位の矯正が不十分であった。上・下直筋手術では,萎縮の有無による手術効果の有意差はなかった。著しい下斜筋過動を伴う筋腹萎縮例では,下斜筋手術のみでは不十分であり,他の術式を追加または併用する必要があると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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