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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (3)

ウロキナーゼが奏効した眼動脈循環不全の1例

著者: 古城奈緒子1 西田保裕1 岩見達也1 吉田健一1 林理1 堀尾和弘1 岡田明1 山出新一1 可児一孝1

所属機関: 1滋賀医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.563 - P.566

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要約 61歳男性が1週間前からの右眼視力障害で受診した。矯正視力は右0.6であった。眼底に乳頭周囲の軟性白斑と桜実紅斑があった。蛍光眼底造影で右眼の網膜と脈絡膜全体の造影遅延があった。左眼は正常であった。磁気共鳴画像法による脳血管撮像で内頸動脈と眼動脈の狭窄は証明されなかったが,これでは確認できないレベルでの眼動脈末梢の循環障害が推定された。ウロキナーゼの点滴を開始し,徐々に眼底所見は改善し,治療開始10日目には視力が1.2に回復した。蛍光眼底造影所見もこれとともに改善した。眼動脈の循環障害が疑われ,視力低下が軽度であるときは,ウロキナーゼ点滴も有効な治療法の1つと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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