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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (3)

両眼に発症した眼虚血症候群の1例

著者: 中山容子1 四倉次郎1 浅海紀子1 太和田昌枝1 安達惠美子1 斎藤栄子1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院視覚病態学

ページ範囲:P.567 - P.570

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要約 62歳男性が3週間前からの左眼霧視で受診した。糖尿病の既往があり,3年前に両眼に白内障手術を受けている。矯正視力は右0.8,左0.4であり,眼圧は右22mmHg,左26mmHgであった。左眼の虹彩と隅角に新生血管があり,両眼の眼底周辺部に無血管野があった。蛍光眼底造影による腕-網膜循環時間が約25秒と延長していた。脳血管造影で両側の内頸動脈に軽度の狭窄があった。これらの所見から,眼虚血症候群が疑われた。眼病変と視力はいったん改善したが,初診から5か月後に右眼隅角に新生血管が生じ,眼圧が上昇した。両眼の汎網膜光凝固を行い,以後の1年間,眼病変は寛解している。内頸動脈狭窄症が眼虚血症候群と血管新生緑内障の原因であった症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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