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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻4号

2003年04月発行

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (3)

p-ANCA関連性血管炎に合併した視神経周囲炎の1例

著者: 設楽幸治1 村上晶1 金井淳1

所属機関: 1順天堂大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.579 - P.582

文献概要

要約 73歳女性が5か月前からの緩慢な視力低下で受診した。視力は両眼とも手動弁で,右眼に視神経萎縮,左眼に軽度の視神経乳頭浮腫があった。画像診断で視神経鞘を含む視神経周囲組織に腫脹があった。血液検査で,抗好中球細胞質抗体(p-ANCA)が陽性であり,ANCA関連血管炎に合併した視神経周囲炎と診断した。副腎皮質ステロイドのパルス療法と免疫抑制剤による治療を行い,左眼視力はその翌日に0.2に改善した。以後,視力に動揺があったが,9か月後に左眼視力は0.7に回復した。しかし求心性視野狭窄が残った。右眼視力には変化がなかった。本症例での再発性視神経障害の発症と,炎症の再燃・寛解にp-ANCAが関与している可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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