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特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (3)
SRK/T式における光学的眼軸長の有用性
著者: 岩見千丈1 妹尾佳平1
所属機関: 1岩手県立北上病院眼科
ページ範囲:P.593 - P.597
文献購入ページに移動要約 SRK/T式を使って実施した白内障手術で,眼内レンズ挿入直前に灌流液で前房を満たして測定した光学的眼軸長(A)と,その直後に粘弾性物質で前房を満たしたときの光学的眼軸長(B)の予測精度を超音波眼軸長(C)と比較した。乳化吸引術を行い,眼内レンズを囊内挿入した342眼を対象とした。A,B,Cの予測屈折度と3者の平均値を求め,術後屈折度との差(術後屈折度-予測屈折度)を比較した。予測屈折度は,A:-1.30±0.76,B:-1.20±0.73,C:-1.87±0.92であり,3者の平均予測誤差は-1.46±0.68であった。Cによる予測誤差は他よりもばらつきが大きく(p<0.001),3者の平均予測誤差が最もばらつきが小さかった。以上の結果から,SRK/T式に光学的眼軸長を適用することと,3法による眼軸長値の平均を用いることが有用であると結論される。
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